みなさま、こんにちは。法人ドメインのマネジメントとコンサルティングを提供しているCom Laude株式会社(コムラウデ)の村上です。2週間振りの寄稿ですが、この2週間で急に寒くなりましたよね?冬だから…と言われたらそれまでですが、寒くなるとなるべく部屋の暖を保ち、寒気が入ってこないようにしませんか?
ホットな状態を保ち、寒い奴らの侵入を防ぐのは、家もドメインポートフォリオも同じです!
無理矢理こじつけたように聞こえますが、「過ごしやすい環境を作り、悪い人たちの侵入を防ぐ」と表現すれば、何となくそう思えてきませんか(笑)
そこで本日は、効果的な法人ドメインマネジメントを、コインの裏表に例えて話してみたいと思います。
サイバースクワッティング。マルウェア。フィッシング。みなさんも聞いた事があると思いますが、実際に対応が必要になったとしても、ワクワクするような事ではないですよね。かと言って、見なかった事にする訳にもいきません。
コインに裏表があるように、ドメインマネジメントにも裏と表があると思います。
まずはコインの表側ですが、法人ドメインマネジメントとして最も重要なことは『ドメインネームの権利保護』です。これは、自社を「権利者」としてドメインネームを登録することであり、これにより、ドメインネームが第三者に登録される心配がなくなります。
他方、コインの裏側として位置付けられるのは『ブランド保護』です。これは、悪意のある人物によって行われる「第三者登録」の対処と言えます。
表と裏の両面を正しくマネジメントすることで、ブランド保護が可能になります。自宅の盗難防止に少し似ているのかもしれません。
窓が割れていたり、ドアが開いていたりすると、誰かが家に侵入する可能性があります。ホームセキュリティと同じで、ドメインネームも適切なセキュリティーと監視による対策が必要と言えます。
法人であれば、事業分野や進出する国・地域等で、保護すべき適切なドメインネームがあることの確認(=ドメインネームの権利保護)が不可欠です。ドメインネーム権利保護対策によるポートフォリオ管理は、ドメインネーム紛争解決処理(UDRP)等でサイバースクワッターに異議を申し立てるよりも費用対効果が高いものです。
また、ブランディングの一つとして『ドメインネーム登録ポリシー』が必要だと言えます。
適切なドメインネームが登録できていない場合、新しいブランドを宣伝したり、同名の商標を出願したりする意味はあるのでしょうか。ブランドは法人の資産であり、その資産に、すべての分野で権利獲得できていない(=安全ではない)状態で拡張する必要はあるのでしょうか?
将来、ブランドを終了するタイミングが来たら、それまでに登録をしたドメインネームをどのように扱うかも重要です。正しく処理しないと、サイバースクワッター等の悪意のある第三者が、あなたのドメインネームのトラフィックから利益を得たり、更なる問題が生じる可能性を高めます。
このような権利とブランドの保護こそが、ドメインマネジメントの目指すべき姿です。
自宅のセキュリティーが強化されたら、次のステップは侵入者が現れた際にアラートを出せるようする事だと思います。
これは、ドメインネームに特化したウォッチング等の、効果的な監視サービスを利用することで対応できます。現実の世界とは異なり、サイバースペースには警察組織がありません。従って、法人ドメインネームのマネジメントには、的確に対応できる内部担当者と、外部の専門家の連携の下、サイバースクワッティング、フィッシング、マルウェアの拡散、ホモグリフによるなりすまし、トラフィック窃盗、その他の無数の悪用について事前に検知することで、是正措置を講じることができ、ブランドの評判や財政的損害を回避できるでしょう。
ブランドを展開している悪意の無い第三者、例えば、広告代理店、従業員、海外の販売代理店等、独自の名称でドメインネームを使用していることに気付く必要もあります。
現時点で問題がなくても、近々担当する従業員が退職する、販売代理店契約が終了する等の可能性もあります。このような、いわゆる悪意の無い第三者ドメイン登録にも何らかの対応が必要ではないでしょうか。
コインの表となる「自社ドメインポートフォリオの適切な管理」、そしてコインの裏と言える「悪意の有無に関わらず第三者登録の監視と対応」が、法人ドメインマネジメントを左右するでしょう。会社によっては異なる部署がそれぞれの対応をしている可能性がありますが、表裏一体のマネジメントが必要ですね。
でも、どのように自社ポートフォリオのマネジメントと第三者登録の監視をしたらよいのか…
次回は、法人が理想とするドメインポートフォリオの作り方に関して話したいと思います。