ドメインネームが広く世の中に出てきてから25年、ですが、ドメインネームに関する基本的なマネジメントは、過去25年でほとんど変わっていません。
ドメインネーム分配の大元である「レジストリ(.COMであれば米国Verisign社)」のデータベースにドメインネームを登録し、サーバー上で技術的設定(ゾーンファイル設定)、費用支払、必要に応じたウェブサイトや電子メールの使用設定等をするのが一般的なドメインネームのマネジメントではないでしょうか。
もちろん、ドメイン登録や管理作業の技術や制度は進化し、登録申請方法の変化、ドメインロックや認証コードによるセキュリティ対策の強化、そして紛争解決処理方針(UDRP)の制度化等が実現しました。
しかし、多くのドメイン登録サービス業者である「レジストラ」は、20年前と変わらぬ方法で、ドメインネーム登録者にアナログでの管理を提供しています。
現代において、企業のドメインネームを安心して維持管理するためには、実用的かつ技術的に優れたポートフォリオ管理が重要であり、ドメインマネジメントを通じて、法人としての戦略面と成長促進の最適化が実現されると考えます。
■効果的なドメインポートフォリオ管理の10原則
企業の規模に関わらず、ドメインマネジメントの改善点の特定と、最善のプランを練る事は重要です。ですが、法人ドメインマネジメントに関する本などは無く、「どのように実践すべきか分からない」という声を聞きます。まずは、法人ドメインマネジメントの基本となる10原則をご紹介します。
1.Understanding
ドメインポートフォリオの管理者は、ドメインネームと関連する事業、使用意図、トラフィックの把握、ポートフォリオの成長率や最適化を理解すべきです。
2.Security
ドメインネームに関連するリスクの発見、対応、軽減が重要です。
3.Rightsizing
ビジネスのゴールは、ドメインポートフォリオの構成に反映されるべきであり、戦略に基づいた定期的な見直しが重要です。
4.Benchmarking
事業やブランドで必要とするドメインネームの登録数や傾向を検証し、他社と比較するべきです。
5.Cost
管理業者の手数料、レジストリの費用、名義貸し等の費用、第三者からの購入、不測の事態のリカバリー等、ドメインネームの登録から削除までの「ライフタイムコスト」を理解すべきです。
6.ROI
全てのドメインネームは、トラフィック、各種機能のサポート、ブランドの信用を保つ等「管理」をする事で利益を生んでいます。
7.Champion
戦略構築、規定、ポリシーの監視を行う権限者によりドメイン管理の方向性が示されるべきです。
8.Training
ドメイン管理に関わる全ての人は、ドメイン管理のプロセス、重要なドメインのトレンドやイベントについて最新の情報を把握するべきです。
9.Compliance
ドメインネーム登録情報の正確性、コンプライアンスの順守、自社の知的財産ポリシーの順守に関する定期的なチェックが必要です。
10.Registrar
法人ドメインの管理は、法人向けサービスに特化したドメインエキスパートで構成され、イノベーティブで貴社のニーズを理解する、信頼できるパートナーに委ねるべきです。
いかかでしたか。この10原則をみなさんのドメインマネジメントに反映し、現在どのような状態であるかチェックするとよいでしょう。